【質問箱】代理母の健康上の問題に発展した場合、責任の所在や補償はどうなりますか?

【質問箱】代理母の健康上の問題に発展した場合、責任の所在や補償はどうなりますか?

サロガシーとそれに伴う妊娠・出産における安全性や成功率はとても高いと言われていますが、医療行為である以上何もかも100%完璧であるということは言えません。無駄に怖がる必要はありませんが、それに伴うリスクなどをきちっと理解して、それにどう対応するべきかは考える必要があるでしょう。

つい先日、このようなご質問をいただきました。すでにお返事をさせていただいたのですが、質問者様の同意を得て、一部編集しなおし、掲載させていただきます。

 

みっつんさん

新しい旅路に出発されおめでとうございます。

わたしも空白な時間を経て
段々と代理母出産が唯一なオプションであることを確認しつつあります。

がパートナーが代理母が存在すること、出産そのもののリスクで万が一その人に生死あるいは健康上な問題が出た場合のことを心配しています。
そうなった場合、私達、インテンディットペアレントに責任が問われたり 補償を求められたりするものなのでしょうか?

クリニックではなく 代理母が居住する州の法律が 左右するのでしょうか?どこが法的に整っているというのはどのようにチェックすればいいのでしょうか?

また、2−3のエージェントに絞るとして何かヒントを頂けたら本当に嬉しいのですが。

一番重要な問題でクリアにならないと前進できず困っております。
何卒宜しくお願い申し上げます。

xxx

複数のメールのやりとりより一部編集して、ご本人の許可をいただき掲載させていただきました。

 

xxxさま、

メッセージありがとうございます。ご質問の件に関し、可能な限りお答えしたいと思いますが、ブログの中でも書いてある通り、サロガシーのプロセスはその依頼者、エージェンシー、州の法律によって、状況が複雑にからみあいます。ですので、私がここで書くことが、全てでは無いことをご了承ください。また専門家や、医療に携わるものではありませんので、参考程度に留めていただき、実際に行動にうつされる際には、ご自身の責任のもとすすめていただければと思います。

 


代理母の健康上の問題に発展した場合の補償について

基本的にアメリカでの医療行為は自由診療の下において行われるので、国民保険などではなく、プライベートの医療保険に代理母候補の方は入っていると思われます。また、それとは別に、自身で生命保険にも入っているかも確認されます。もしもそれらの保険が、サロガシーの場合には適用されないということであれば、新たに保険に入る必要があり、その場合の掛け金や手数料などはインテンディッドペアレンツ(IP)が補償します。

その上で、サロガシーのプロセスにおける中で代理母に健康上の問題が生じた場合、その補償はこれらの保険がおりるかたちで出されます。保険の契約内容は、どんな場合にどれだけの金額が補償されるかということが、その保険の契約内容によって違うので、ご自身エージェンシーに確認する必要があるかと思います。

 


代理母に健康上の問題がでた場合の責任の所在について

アメリカにおけるサロガシーは、各立場間(IP, 代理母、エージェンシー、クリニックなど)における相互の同意・契約によってなりたっています。基本的に、代理母はサロガシーのプロセスの概要とそのリスクについて十分な説明を受けており、それを理解したうえで各同意書にサインをすることになります。

代理母に健康上の問題が出た場合でも、そのリスクを代理母が承諾して行ったのであれば、言い換えると、同意書にその旨が明記されておりそれにサインがされているのであれば、IPにその責任が問われることはないと考えられます。

しかし、サロガシーを禁止している州においては、サロガシーの同意書・契約が無効との判断を裁判所で下されるそうなので、注意が必要です。(それについては次の項目をご参考ください)

 


サロガシーに関する法律、州ごとの違いについて

ご質問にあった通り、サロガシーに関する法律は、代理母がそれによって懐胎した子を産む州(ほとんどの場合、彼らが住んでいる州)に準拠します。

基本的にサロガシーエージェンシーは、代理母を募集する際に、その時点で彼らがどの州に住んでいるかチェックしており、サロガシーが禁止されている州に住んでいる女性は、基本的に代理母になることができません。ですので、代理母を紹介することのできるエージェンシーに依頼するのであれば、特に心配する必要はないかと思われます。

ちなみにこんな地図を見つけました。

http://www.creativefamilyconnections.com/#!surrogacy-law-by-state/f49jq

ヘテロカップルか、ゲイカップルかの違いなども含め、色分けされていてとても分かりやすいと思うので、どこの州の法律が整っているかは、これを参考にしていただけたらと思います。ちなみに僕らの代理母が住んでいる州は、詳しくは言えませんが、薄緑色のところです。

 


エージェンシーの候補の絞り方について

当ブログの中で、第12話 代理母出産のエージェンシーってなに?エージェンシー僕らの選び方。というのがありますので、そちらを参考にしていただければと思います。

 


以上わかる範囲でお答えさせていただきました。

xxxさんの今後の旅がうまくいきますように、お祈り申しあげます。

みっつん