前回までに代理母に関しての基本的なことをお伝えし、僕らの代理母さんが決まったことをお伝えした。
そして、今日はエージェンシーからも何度も言われてきた、サロガシーの旅において非常に大切なことをお伝えしたい。
出産まで続く週一スカイプとその目的
代理母さんとのマッチングの前も後も、エージェンシーのプログラムコーディネーターから言われていたこと。それは、タイトルにもあるように週に一回、電話かスカイプで話しをすることだった。
そしてそれはマッチングが成立した直後から、妊娠期間中、そして出産まで、お互いに連絡を取り合い、メールなどテキストでのコミュニケーションではなく、声を使って話すことを、最低週一回することを何度も言われていた。
本当にこれはプログラムコーディネーターから、耳にタコができるほど聞かされるほど、大切なことだと言われていたのだが、それほどまでに、週一で代理母さんと話す目的というのは、
代理母さんとの信頼関係を築くこと。
マッチングが成立してから出産まで、そのサロガシーによって産まれてくる赤ちゃんに出会うことが、共同のゴールとなり、そこに向かって僕らと代理母さんはともに歩んでいくこととなる。物理的な距離は離れていても、そのプロセスにおいて、どちらか一方が何かを独断で決めて実行することはない。
そしてそのために必要不可欠なのが、この週一スカイプによって築く信頼関係だ。もちろんそんなことで信頼関係が築けるのかといぶかしむ方もいるかもしれないが、僕らのケースでは経験談として、それはとてもうまくいったと思っている。
その信頼というのは目に見えるものではないし、ここで書き出せるものではない。しかし、実際に声を使いお互いに会話をすることで、少しずつ少しずつ、信頼というのが積み重なっていったことは確かだった。
マッチングが終わると、それまではスカイプネームしか知らされていなかったお互いの連絡先を交換することになり、電話やEメール、iMessageなどのグループチャットを使い、毎回のスカイプの予定をたてたりした。
アメリカとイギリスの間には時差があり、リカも僕も仕事をしていて、代理母さんもフルタイムの仕事に加え、子育てもしている方。なかなか、予定を合わせるのが難しく、週一のペースがまもれないこともしばしばあったが、そういうときでも「こんなことした」とか「旅行にいった」とか、近況をメールでお互いにやりとりはして、連絡をとりあっていった。
ここからは彼女とともに歩く道
そうやって彼女とのコンタクトは、マッチングの直後から続いていき、しばらくすると、それが生活の一部になっていっていたなと、今振り返るとそう思う。
今後サロガシーの旅は、妊娠・出産と続くのだが、この定期的なコンタクトはそのプロセスを進めていくなかで、とても大きな意味をもっていたと感じている。
それはお互いの信頼関係を築くことはもちろん、ここまではリカと僕の二人だけのサロガシーの旅だったのが、ここからは彼女や、彼女の家族とともに歩いていくものだと感じられたことだ。
僕らのサロガシーの旅と、彼女のサロガシーの旅、それぞれの道がここで合流し、ここから先ともに歩いていく。まだ見ぬその子に会うために。
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