代理母出産の話題をするにあたって、一番大切な存在のひとつだと言っても良いのに、なかなかその姿が見えにくいのが、代理母になる女性の話だろう。
僕らのサロガシーの旅では、ここまでに遺言書の準備を済ませ、IVFクリニックが決まっている。次はいよいと代理母とのマッチングのプロセスに入るところだ。
このブログの連載『サロガシーの旅』では、僕らの旅を、時系列にそってお送りしている。僕らが出会った代理母さんの話は、これから少しずつしていく予定だが、ここではまず、どんな人が代理母になろうとしているのか、どのようなプロセスでその候補になるのかということを、今回と次回の二回に分けてお伝えしたいと思う。
一回目の今回は代理母になるための要件とそのプロセスについてお伝えしていきたいと思う。
代理母となるための要件
アメリカにある数々のサロガシーエージェンシーでは、代理母になりたいひとを募集するためのページを用意しているところが多い。そしてそこには、代理母となるための要件がリストアップされているが、ここでは複数のエージェンシーのページから、主なものをまとめたものをリストアップする。
- アメリカ在住で、グリーンカードなど永住権を持っていること。
- サロガシーフレンドリー(ここではサロガシーを合法としているという意味で)の州に住んでいること。
- 非喫煙者であること。
- 違法ドラッグなどを使用していないこと。
- 21歳から42歳であること (代理母経験がある場合は多少変更あり)。
- 公的な経済的保護を受けていないこと。
- 子どもを一人以上産み、自ら育てていること。
- 代理母をすることに、家族が賛成し、その妊娠中に協力が得られること。
などが挙げられ、エージェンシーによってはBMI値などの範囲も設定しているところもある。BMI値の範囲は、出産時のリスクを少なくするための目安になるためだ。
代理母になるためのプロセス
こちらも、上の要件の項と同じように、複数のサロガシーエージェンシーのサイトにかかれていることを参考にし、まとめてみた。各エージェンシーによって違いはあるだろうことをご了承いただきたい。
サロガシーエージェンシーにコンタクトをとる
代理母になりたいと思うひとたちは、その多くがサロガシーエージェンシーのサイトを訪問し、そこからコンタクトをとるようである。その過程で、エージェンシーの違いや、代理母のプロセスなどさまざまな情報を調べてから、自分にあったところに決めるようだ。それはIPがエージェンシーを選ぶのと似ているかもしれない。
プロフィール作りをする
名前から始まり、年齢や職業、家族構成、病歴などの設問に答えることによって、彼女自身のプロフィールを作成する。このプロフィールは、のちのマッチングの際にIPが見ることになるが、名前はfirst nameのみの表示にしたり、住所や連絡先など個人が特定できるものなどは、その時点では伏せられている。
サイコロジカル・スクリーニングを受ける
サイコロジカル・スクリーニング(psychological screening)とは代理母候補として IPに紹介できるかの適性検査のこと。先に作成したプロフィールを元に、面談を行い、より具体的な話を聞いたりする。また代理母が通るプロセスをきちんと理解しているかなどもここで確認する。場合によってはそのパートナーなど家族も共に受ける必要がある。ここで、代理母には適性ではないと判断されると、次のステップに進むことはできない。
IPとのマッチング
サイコロジカル・スクリーニングによって、その女性は代理母になるための準備ができていると判断されると、IPとのマッチングプロセスにうつる。マッチングについては第28・29話でお伝えする。
以上、ここまでが代理母になるまでの道のりとなる。
ということで、今回は代理母になるための要件とそのプロセスについてお伝えした。
つづきはこちら
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