さて、第18話からは、
”第2章 選択、決断、そして書類の嵐”
と題し、主にサロガシーエージェンシーとの契約を済ませてから、実際にIVFクリニックに行くまでの期間の出来事について、お話ししたいと思っている。
この期間では、実際の治療に入るまでにしなければならない具体的な準備として、クリニックの選択や書類の準備、代理母とのマッチング、法的手続きなどをしていくこととなる。
サロガシーの旅、その道程でたくさんの選択や分岐点があるのは今まで何度も言ってきたが、この章では、自分たちの未来を想像したり、生まれてくる子どもの幸福を願って、そのすべてに関して熟考をし、自分たちにあった選択や決断をおこなっていったその時期をまとめている。
大切なことを決めなければならないプレッシャーや、目を通してサインしなければならない書類もこの時期多かった。ときには、大量の仕事を短時間で行わなければならないときもあった。
それらの作業は、ペーパーワーク – 事務的作業が圧倒的に多く、実際に子どもを持つ準備としての実感が少ない中て、しんどいなと思うことも多かったし、そのせいでリカとふたりで険悪なムードになったりしたこともあった。
けれど、やっぱり、子どもを持てるという希望を糧に、そしてそれに向かって歩き出すことを決めたのだから、という自信をもって、リカとふたり、夢中になってやっていたような気もする。
そんなこの時期、言われて嬉しかったことがあった。
「これから生まれてくる子どものこと考えて、そんなにたくさん準備してその子どもを迎えようっていう親は、ストレートの人でもそんなにいないよ。そんなに望まれて生まれてくる子は幸せだね。」
彼女自身もすでに二児の母であるひとで、この大変だった時期に、発想の転換とも言えるこの言葉をかけてくれたのには、本当に救われた。
僕らがこの旅の最中にいるときは、常に暗中模索のような気持ちでいたのだが、もしサロガシーを考えているひとがいて、これを読んでくださっているのなら、ちょっとだけ見通しがよくなることで、楽になってもらえたらな、という気持ちで、この第2章を書いていきたいと思っている。
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