長男の婿から見た、スウェーデンの母。

長男の婿から見た、スウェーデンの母。

2017年5月28日(日)

息子くんへ。

 

今日は五月の最終日曜日。スウェーデンの母の日。

 

リカパパのお母さん、君からするとファルモル(おばあちゃん)、そしてみつぱぱからみると義理のお母さんということになる。

 

ちょうどそのファルモルはこの週末、仕事の休みを利用して、今は一人暮らししているひいおばあちゃんちに行っていた。ファルモルからするとお母さんだものね。

 

今日の夕方帰ってくるというファルモルに、特になにも用意してなかったパパたち。朝からみつぱぱはあわててケーキを焼いた。

 

そして、夕食を食べたあと、みんなでそのチョコレートケーキを食べた。

 

 

ところで、ファルモルは、本当に素晴らしい人だよ。

 

スウェーデンでは、配偶者の母親を『お義母さん』と呼ぶことはない。だから、彼女を呼ぶ時は、名前をいう。(最近ではきみの前では『ファルモル』って呼ぶけどさ)

 

だけれども、スウェーデンに来てから一年が経ち、なんだか、本当におかあさんに思えてきた、気がする。彼女のその優しさと強さ、心の大きさに甘えさせてもらううちに、自然にそう思うようになっていたんだろう。

 

ファルモルのなにがすごいって、外で仕事もして、料理もうまいし、ベイキングも上手。

 

冬の終わりから草花の苗を家の中で準備し、春から夏にかけてガーデニングで、庭中がはなやかになったり、家庭菜園で、イチゴや野菜、ジャガイモなんかも作る。

 

寒くなって、外にあまり出なくなると、クリスマスのプレゼントに向けて、子供や孫達のために、洋服やエプロンを縫ってくれたり、毛糸の手袋や靴下なんかを編んでくれたりする。

 

家の中のデコレーションは、季節に合わせて、カーテンやテーブルクロスが変えられる。夏は緑系、クリスマスが近づくと赤っぽく、クリスマスツリーだって近くの森で自分で刈ってもってくる。

 

きみに接するときだって、パパたちは「ダメダメ」っていいがちなところを、ちゃんと言葉で説明して、なんでやっちゃだめかって説明して聞かせたりしてる。そうすると、きみも、全部言ってることはわかってないだろうけど、その行為をやめたりする。

 

いつか、ファルファル(おじいちゃん)が言ってた。

 

『ファルモルはパーフェクトワイフだ。』

 

って。いや、ほんとにそう思う。でもパーフェクトなのは、その仕事ぶりとかなんじゃなくて、やっぱりその人格がベースにある優しさと強さだと思う。

 

彼女の強みをあえて、ひとつあげろというのなら、『寛容』だと思う。

 

その寛容さに、どれだけみつぱぱは助けられたかわからない。

 

東の果てから来た、どこの馬の骨ともわからない長男の婿。スウェーデン語もしゃべれないみつぱぱに合わせて、英語でしゃべってくれる。

 

家で料理作りゃいつも、しょうゆとかつお出汁くさく、なにかというと米ばっかり食ってる。でも、それでもおいしいって言って、いつも褒めてくれる。みつぱぱが料理やベイキングで失敗したなーっておもっても、なにかいいとこみつけて、褒めてくれる。

 

そして最近、こんなこともあった。最近になってまた同居が始まったんだけどそのときに、みつぱぱが

 

「I’m sorry for invading for your house again 」

(またおうちを侵略してごめんね)

 

って、言ったら、

 

「No, no, I’m glad that we have you… from the beginning」

(いやいや、あなたがいてくれて私はうれしいわ…初めからね)

 

って言ってくれた。文字にすると平凡なんだけど、それを言われたとき、そこに至るまでの背景とかもいろいろ相まって、泣きそうになっちゃったんだよね。

 

ってか、その場を離れて、あとで、ボロ泣きしたんだよね。優しさに触れて、ダムが決壊した感じ。

 

そのとき、ああ、このひとおかあさんなんだな、ってすごい思った。

 

みつぱぱの自分のお母さんは、リカパパのお母さんとは、また全然違うタイプのひとなんだけど、その人としての基本みたいなところが、同じなのかもって、思った。

 

そして、自分も親になったいま、そんなふうな立派な親になれるのかなって、思ったりもした。

 

きみが大きくなったときに、きみになにがあってもどんなことがあっても、そうやって寛容で愛を持って、きみのことを助けてあげられるのかなって不安になるときは、正直、ある。

 

ファルモルのように素晴らしい人になれるかと聞かれれば、そんな自信はない。でも、そんなふうにお手本となるひとがそばにいてくれて、一緒に時間を過ごせるということは、ラッキーなのかもしれない。

 

子どもを三人産んで、一番下の子が5歳になってから、学校に行き、看護師の資格を取り、それ以来ずっと介護施設で働いてきたファルモル。あと、二週間ほどで、いよいよ仕事をリタイアするそうだ。

 

ファルモルはその第二の人生が始まることが、楽しみでしょうがないらしい。:) とくにきみと過ごす時間が増えるのがうれしいらしいよ!

 

そんな、ファルモルへの感謝だけでなく、いま自分がいるその環境についても感謝が深くなった、スウェーデンの母の日だったよ。

 

 

I love you,

みつぱぱ

 

*上の画像は、ちょっとまえのもの、きみとファルモル。