自身も代理母出産で子どもを授かったゲイが、丸岡・有村夫妻のニュースを見て勝手に思ったこと。

こんにちは。ふたりぱぱのみっつんです。昨日、とても嬉しいニュースが飛び込んできたました。

 

 

 

まずは、「おめでとうございます」というお祝いの気持ちでいっぱいです。この記事にも引用されている丸岡さんのブログによると、

 

2012年より不妊治療を開始、

6年の歳月の中で様々なことがありましたが

周りの多くの方々の協力を経て、

我が家へ赤ちゃんを迎えることが

できました。

 

とのこと。代理母出産を決める前にも、さまざまな不妊治療をトライされたのだな、ということがうかがえます。そしてやっと出会えた我が子。丸岡さんはこのようにも述べています。

 

我が子に対面した時の感動は

言葉では言い表せないほどのもので、

夫と共に大泣きしてしまいました。

 

僕らのときは大泣きというほどではありませんでしたが、そのコメントを読み、僕らの息子くんが生まれてきてくれたときのことを思い出し、また胸がいっぱいになってしまいました。

 

今回の出産に合わせ、丸岡さんは23日発売の「婦人公論」(中央公論新社)で、過去2度の流産経験を告白。またご自身が出演されていた「情報ライブ ミヤネ屋」に、夫での有村昆さんとともに滞在中のロシア・モスクワから生中継で出演し、第1子となる男児の誕生を報告したとのこと。その中で僕が特に印象に残った言葉がありました。

 

「こういうメディアに出させていただくお仕事をしている以上は、公表しないで隠してこれからの生活を続けていくというのは不可能に近いだろうなという思いもありましたし、自分はこういう結果になりましたけど、この後につづくみなさんの思いも多少は背負って生きていくのが筋だろうなと思いました」

www.nikkansports.com

 

代理母出産で子どもを授かるということがこれだけニュースになる世論の中で、著名人である丸岡・有村ご夫妻が、『代理母出産で子どもを授かること』そして『それを公表すること』この二つを決断されたのには、たくさん考え抜かれた結果のことと思います。これはその思いが端的に表されているコメントだなと思いましたし、『後につづくみなさん』だけではなく、僕らのようにすでに代理母出産で子どもを授かった親や、生まれてきたたくさんの子どもたちにも勇気を与えてくださったと思います。少なくとも僕は本当に嬉しかったです。それというのも、僕がこのブログを始めたのも、丸岡さんと同じような気持ちがあったからです。

 

僕らがこのサロガシーの旅を始めたころ、大変だったのはその情報の少なさでした。英語で探せばいろんな病院の案内だったり、大学の研究論文だったりがネットでみつかりますが、専門用語が多いそれらの情報を英語で理解していくのには苦労した

(中略)

だからこそ、もしサロガシーの可能性を探っている方がいれば、その経験をシェアしたい。サロガシーってなんなの? どんなことするの? といった見えない部分を、見えるようにしたい。

(はじめての方へより)

 

 

また今回、著名人である彼らがこうやって公表したことによって、社会に一石が投じられたと感じています。今まで代理母出産に関しては、特に日本ではネガティブな印象しかなかったように感じていました。それどころか、議論の対象にもなっていなかった。また議論をしようにも、その材料となる正しい知識や情報すらない。ただの得体のしれないものでしかなかった。いのちに関わる大切な話なのに、なんとなく避けられていた、そんな風にも感じていました。

 

丸岡さんも前出のブログで『代理母出産に関してはもちろん様々なご意見があると思いますが』とおっしゃっていますし、世論の中にさまざまな意見があって当然です。それに僕自身は代理母出産で子どもを授かりましたが、なにも手放しでなんでもやっていいと思っているわけではありません。代理母出産における法整備、その重要性については僕らの経験をつづった連載、サロガシーの旅の中でもたびたび触れています。

 

しかし、その法整備の段階よりその前に、世論の中での議論がもっと必要だと感じています。そのときに、噂の域をでないような誤った情報や思い込みなどに惑わされず、正しい知識や情報、実際の経験談が、その議論のベースになることの重要性は言わずもがなですが、今回のお二人の勇気ある公表は、そのためにとてもいい影響を与えると信じてやみません。(代理母出産によって子どもを授かった全てのひとが公表すべきとは考えていませんが。)

 

今回の発表ではテレビでの報道のされ方や、ネットでの反応が以前よりポジティブなものになってきたと僕は感じていますが、みなさんはどう思われましたか? 個人的には10年以上前に公表された向井亜紀・高田延彦夫妻のケースではここまで暖かい雰囲気がなかったように思います。

 

しかしそれは、向井・高田夫妻をはじめ、海外の著名人、最近ではインスタグラムなどでもその家族の姿を公表している一般のゲイカップル、啓発に取り組んできた方達などの積み重ねなんじゃないか、と感じている次第です。(向井さんも今回の発表を受け祝福メッセージをブログで送っています)

 

 

 

僕自身はそんなに影響のある著名人ではないけれども、少しでもそのお役に立てればとおもいつつ、今日はこの記事を書きました。不妊治療や、子どもを欲しくても持てないと悩んでいる方に、少しでも光が届けばと祈っています。

 

そして改めまして、丸岡さん、有村さん、そして息子さん、おめでとうございます。これから親子そろっての生活が、暖かく素晴らしいものになることを遠くから(勝手ながら)お祈りしたいと思います。

 

 

みっつん