ふたりのゲイパパに育てられた飛込み選手が、伝えたかったメッセージ

みなさんこんにちは。いつも『ふたりぱぱ日記』を読んでいただきありがとうございます。

 

リオオリンピックが始まり、たくさんのアスリートの活躍を目にする毎日。出場選手のなかでも、ゲイであることをオープンにする選手が増えてきているという話題や、試合後にプロポーズをした同性カップルの話など、LGBTに関する話題を目にする機会が増えてきたのは、嬉しいことだなと思います。

 

そこで今日は、男子飛込みで活躍する、あるアスリートを紹介したいと思います。あのイギリスのオープンリーゲイの『飛込み王子』ではありません。

 

今日ご紹介したいのは、ゲイであるふたりの父親に育てられた、あるアメリカの選手です。

 

その名は、ジョルダン・ウィンドル(Jordan Windle)。アメリカ在住の現在17歳。

 

 

7歳から飛込みを始めたウィンドル選手は、ジュニアの全米チャンピオンになるなど、数々の成績をおさめ、2012年のロンドン五輪の選考会に、史上最年少の12歳で出場した優秀な選手。今回のリオ五輪の選考会では、10m高飛込みで4位につけましたが、おしくも五輪出場は逃しました。

 

そんな彼は、生後18ヶ月までをカンボジアの児童養護施設で過ごし、その後現在の父親、ジェリー・ウィンドル氏に引き取られ、それ以降、もうひとりの父親アンドレス・ロドリゲス氏とともに育てられました。

 

そんな彼は、ゲイであることを理由にイジメを受けたり、ゲイではないかと同級生に疑われた末に自殺をする10代の青少年が相次いだことを受けて立ち上がった ”IT GETS BETTER PROJECT” に参加し、2013年、あるひとつのビデオメッセージをリリースしました。それがこちらです。

 

 

 

ただ僕が伝えたいのは、『いつか必ずもっと良くなるよ』っていうこと。僕も何度か父親と肌の色が違うということでからかわれたり、父親がふたりいるということでいじめられたりもした。でも、自分を愛してくれる父親がふたりもいるというのは最高なことだと思う。世界は僕のお父さんの時よりよくなってるし、君のためによくなってきてる。だから今は、勇気を持って強くあってほしい。なぜなら、君が将来お父さんやお母さんになって迎えに来てくれるのを待っている、僕のような小さな男の子が世界のどこかにいるのだから。『It will get better.(これからもっと良くなるよ)』

(はじめの自己紹介部分は略しました)

訳: みっつん

 

 

また彼は自身のホームページでこのようにも書いています。

 

(僕をいじめようとするヤツがいても)僕はそうはさせなかった。「愛は愛だ。」と、ふたりのお父さんは僕に教えてくれた。誰でもみな、幸せを手にいれるのに値する人たち。世界には僕のように最高の家族を持ちたいと願う子どもたちがいる。

(HP内 MY SRORY より、訳:みっつん)

 

僕自身も、ゲイとして親となり、子どもを持つ前に、大きくなった子どもがいじめられやしないか、ゲイの親を持つことで悩むんじゃないかと、考えなかったわけではありません。(以前のブログ→【質問箱】『親がゲイの子どもだ』と、いじめられる心配はありませんか?

 

しかし、彼のこのメッセージを聞いて、さらに心強くなりましたし、ゲイであるふたりの父親に愛をもって育てられた彼だからこそ言えるメッセージなのだなと、しみじみ感じます。

 

 

日本では、ゲイが子どもを持つことや、国際養子縁組など、馴染みがないことだと思います。そして馴染みのないことには否定的であり、そちらに変化することを望まない人が、日本には未だに多いのかという、印象があります。

 

 

しかし、このウィンドル選手が伝えてくれたメッセージは、アメリカだから通ずるものではなく、日本でだって可能なことだと僕は信じています。『愛が愛であること』に、国境はないのだから。

 

”It will get better.”

 

 


 

今日も、『ふたりぱぱ日記』を読んでいただきありがとうございます。

ではまた。