2016年9月28日(水)
息子くんへ。
今日は朝から荒れた日で、台風のような雨と風がすさまじい日だった。おかげで僕ら三人は見事に家に閉じこもっていて、しかも、リカパパもみつパパも眠くてしょうがない日だったよ。気圧のせいかな? 君も今日はいつもにも増してよく寝た。
そして、昼によくねちゃったせいか、夜寝る時間になっても、結構元気なもんだから、しばらく君をだっこしてたんだけど、今日気付いたのは君がなんにでも手を伸ばすようになったってこと。
もちろん、今までももうそういうことはあったけど、それは何かぬいぐるみだったり、おもちゃのプラスチックのリングだったり、哺乳瓶だったり、パパたちの指や顔だったりで、触ったりつかんだりしてその感触を確かめてた。
でも、今日はちょっと違った。君を抱っこしながら部屋を歩いていると、壁にかかっている絵に興味を示し始めて、それを一生懸命に触ろうとしていた。あまりにも勢い良く手を伸ばすもんだから、みつぱぱの腕からおっこちそうなくらいだった。
そうか、君は2次元のフラットなものも、それが、”なにか”、ものだってことに気づき始めてるようだね。
おもしろかったのが、壁にかかっている絵には何匹かのキャラクターが描かれているものがあったのだけど、ただ、その絵自体を触るというより、その中のキャラクターを狙って、触ろうとしてた。まるでその絵の中からつかみとって、取り出そうとするみたいに。
ぱぱたちみたいに大人になると、絵は、絵という認識でしかないんだけれど、君にとってはそれは初めての経験で、それがなにかもわからなくって、そのキャラクターだけを取り出せるんじゃないか、なんて思ってるのかな。
そんな君を見てて、星の王子さまを思い出したよ。そのお話の中には、こんなエピソードがある。
砂漠のまんなかに墜落したパイロットは、そこで出会ったちいさな子どもの王子さまに、羊の絵を描いて、とお願いされる。どんな羊の絵を描いても、王子さまは納得しない。やけくそになったパイロットは、穴が空いたひとつの箱の絵を描いて、こう言いながら王子さまにその絵を渡した。
『君のほしい羊はその箱の中に入ってるよ!』
すると王子さまは、『こんな羊が欲しかったんだ』と喜んでは、『この羊はいっぱい草を食べるだろうか』、『あっ、この羊寝ちゃったよ』とおおはしゃぎそしてその絵を大切に見ている。
息子くん、君の目にはなにが見えてるんだろう。この部屋の壁にかかっているその絵からなにをとりだそうとしていたんだろう。大人になってしまったパパたちには見えない、なにか大切なものが見えてるんだろうか。
もしそうだとしても、君とこうして過ごすことで、いろいろと見えなくなってしまったものが、また見えるようになるような気がする。君のおかげで、あたりまえに思ってたことが、あたりまえじゃなくて、新鮮に思えたりする。そして、くたびれ始めてる想像力をとても刺激してくれる。それはとっても嬉しいことだ。
星の王子さまのまえがきのさいごには、こう書かれてる。
大人は皆初めは子供だった。(しかしこのことを覚えている大人は少ない。)
君もいつかは大人になる。そして子どもだったことを忘れてしまう。それが成長というものだ。でも、パパたちは今しかない、君が君でいるこの時間を大切に、過ごしていきたいと思っているよ。
I love you,
みつぱぱ
