「ぼく、こわい」というきみに伝えた昔話。

「ぼく、こわい」というきみに伝えた昔話。

2020年4月2日(木)

息子くんへ

 

昨日の夜のこと。

 

一緒に寝て、いつものように絵本を2冊読み、電気を消す。

 

いつものように、きみはくらいなかで、

 

「Jag älskar dig!」

とか

「ぼく、みつぱっぱ、だいすきー」

 

とかいいながら、ハグしてくれる。

 

だけど、そのあと、しばらくたつと、

 

暗闇の中で、

 

「ぼく、こわいー」

 

って言うようになった。

 

もーしかしたらだけど、最近、みつぱっぱが、

 

「きみも、もうちょっと大きくなったら、一人で寝るようになるね」

 

なんて話をしたからかもしれない。

 

まだまだ一緒に寝たいものね。

 

 

でも、いま、こわいなって思うのは、光がないからだね。

 

暗いところにいると、こわくないものもこわくなっちゃうんだ。

 

そういって、お腹のところがちょっとだけ光って、音楽がなる、タツノオトシゴのぬいぐるみのスイッチを入れた。

 

そして、みつぱっぱはある話を思い出したから、それをきみにおはなしすることにした。

 

 

昔々、ある男の人が暗い森を歩いていたら、

目の前に、おおきなへびが出てきた。

その人は「大きなへびがでたー!」って言いながら、

大騒ぎして、村へ戻った。

村のひとはみんなで駆けつけて、

その蛇が出た場所をたいまつで照らしてみると、

そこにいたのはへびではなくて、

ただの太いロープがころがっていた。

みんなはそれを知って、その男を笑ったが、

村のいちばんの年寄りはこう言った。

「だれもその男を笑うことはできないよ、

暗闇では誰もがものごとを正しく判断できないのだ。

人間はみな想像力が豊かすぎるときがあるのだ。

だからこそ、いつも光をたずさえなければならない、

その光というのは、正しい知識や情報だ。

だから、人は学び、知らないことを知ろうとしなければならないのだ

そして自分が無知であることを知ることもな」

 

きみは、話のあいまあいまに

 

「なんで?」

「なんで?」

 

と聞いてくるので、なかなか話がすすまなかったし、

 

この物語の本当の意味はまだまだわからないだろうけど、

 

いつか、わかってくれたらいいな、と思うみつパパなのでした。

 

Jag älskar dig,

みつぱっぱ