2016年11月20日(日)
息子くんへ。
いつも8〜9時ぐらいに寝る君は、途中12時ぐらいにもう一回、ほぼ寝ながらミルクを飲んで、そのまままた朝まで寝るという感じ。
それが昨日の夜のことなんだけど、やっぱり12時ぐらいにミルクをあげたとき、うんちしてたから、おむつを代えたりしたら、君はすっかり目が覚めてしまったみたいで、なんか、ちょっと寝たくない、って感じだった。
ま、それならそれでいっかと思って、ベッドに一緒に横になった。
みつぱぱは最近、小説のムーミンシリーズを読んでいる。このいま住まわせてもらってる家の方のもの。今はそのシリーズの中でも『ムーミンパパの思い出』というものだ。(余談だが、君はもう少し大きくなったら、これを読んだ方がいい。おすすめするよ)
だから、昨日の夜も、君の横でねっころがって、そのムーミンパパの思い出を読んでいたんだけど、隣で一緒に寝ている君はとても静かに、なんだか不思議そうにこっちを見つめていたらしい。
みつぱぱはその物語にちょっと夢中になっていたみたいで気づかなかったんだけど、そのむこうにいたリカパパ(ちなみにリカパパもなんか分厚い数学の本読んでた。)が、その君の様子に気づいて、教えてくれた。
言われて見ると、となりでぱっちり目を開けた君が、じーっとこちらを見ている。
いつもだったら、となりにいると、手を伸ばしてパパの顔をむしり取るように掴んだり、遊んでとばかりにペシペシと体を叩いてくる君が、とっても静か。
ちょっとおもしろいなと思ったんだけど、そのままみつぱぱはムーミンパパの思い出を読み続けていた。
ちらと横目で君を見ると、不思議そうにみつぱぱが顔の上に掲げているその本をじーっと見て、こんどはみつぱぱの顔をじーっと見て、を交互にやっている。
べつにみつぱぱは声に出して本を読んでいたわけじゃないんだけど、静寂の中、パパがなにかに集中してるのが、君には興味深々だったんだろうか。
なんだか、こういうなんでもない時間が平和で穏やかでなんとも言えない気分になる。
この本の中で、ムーミンパパは自分の青年期を中心にした、思い出の記を自伝のように書いていく。冒険家になるべく孤児院を脱出してさまざまな経験をして、もっとおもしろいこと刺激的なことを探して旅へでたのだが、結局、自由の村を自分で作り、最後の章ではムーミンママとの出会いがあり、その村で腰をすえ落ち着いたということだった。
ムーミンパパはその思い出の記の一番最後で、こう語っている。
これからあとは、かの女のやさしい理解ある目に見まもられて、わたしの道楽は、正しい観察力や良識にかわっていきました。そのかわりに一方では、無鉄砲で自由な勇気は、わたしからなくなっていきました。わたしが書いておきたかったのは、ほんとうは、そういうものだったのですよ。
なんだか、みつぱぱが最近感じていたことを、あらわしてくれていたような気がした。べつになにか、それが悪いことかではないんだけど、少し寂しいような気分も含めて。
でも、ムーミンパパはそのあとをこう続けている。
わたしはここで、思い出の記のペンをおきますが、冒険のすばらしい時代がこれでおしまいだとは、どうしても信じられないのです。それでは、つまりませんものね。
ちょうど、その最後の章を読み終え電気を消すと、君もすーっと寝息をたてはじめた。そして親子三人、川の字で、、、と言いたいところだが、君は寝始めるとものすごい動いて、パパのことを蹴り飛ばすように真横になったりするから、なかなか川の字にならない。強いて言うなら、アルファベットのHの字で寝たと言えるかもしれない。笑
そんな寝相の君は、ムーミンパパのように冒険にでている夢でも見ているのだろうか。
I love you,
みつぱぱ
『ムーミンパパの思い出』
講談社 青い鳥文庫
トーベ・ヤンソン / 作・絵
小野寺百合子 / 訳
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