前回は遺言書を書いたことについてお伝えしたが、それとほぼ同時進行で行うのが、IVFクリニック選びだ。
エージェンシーによっては特定のクリニックと提携し、そのクリニックのみを利用するところもあるようだが、僕らが利用したエージェンシーは、僕ら自身でクリニックを選ばなければならなかった。
今日のリサーチ編から4回に分けて、僕らがどのようにクリニックを選んだか、順にご紹介したい。
エージェンシーのアドバイスを受ける
クリニック選びは自分たちで行う、と書いたが、エージェンシーも僕らをほったらかしにしていたわけではない。クリニック選びに関するアドバイスを、簡単にまとめたものをメールで送ってくれていた。それには、クリニックへのアプローチの流れや、比較・検討する際のおさえておきたいポイント、などがわかりやすく書かれていた。
僕らはそれに目を通した上で、エージェンシーのプログラムコーディネーターに連絡をとり、彼らが過去に取り扱ったケースの中から、オススメのクリニックをリストアップしてもらった。
僕らはイギリス在住ということで、主にアメリカ東海岸にターゲットを絞り、全部で10箇所ほど候補を挙げてもらい、オススメのドクターの名前などを教えてもらっていた。
IVFクリニックのまとめサイトと比較項目
以前、第12話 代理母出産のエージェンシーってなに?エージェンシー僕らの選び方。の回で、Surrogacy Adviserというサイトをご紹介した。実際にサロガシーによって子どもを授かったIPのアンケートを元にエージェンシーの評価などをまとめたサイトだ。そこではIVFクリニックの評価をまとめたページもあり、ひとつの参考にした。
アンケートをもとにしているので、利用者の主観によってその評価がなされているなという感じはするが、次のような項目を比較するのには便利かもしれない。
- クリニックの所在地
- 卵子提供を行っているか(必要な場合)
- ゲイのIPを受け入れているか
- 新鮮胚移植か冷凍胚移植か
- 一回目の移植サイクルで妊娠に至った確率
- 何回目の移植サイクルで出産まで至ったか
などが、参考になると思う。繰り返しにはなるが、ここのサイトはあくまで利用者のアンケートを元に統計を取っているので、各サクセスレート(妊娠や出産にいたった成功率)などは、クリニックが公表しているものもあわせて、確認するのが望ましいかと思う。
新鮮胚移植と冷凍胚移植については次回第23話 IVFクリニック選び② 新鮮胚移植 or 凍結胚移植? を参照いただきたい。
スカイプコンサルの予約をする
大概のIVFクリニックは、ホームページがあり、そこのメールフォームなどでコンタクトを取ることができる。そして、クリニックからの返事を待ち、スカイプなどでドクターと直接話すことのできる”コンサルテーション”の予約を取ることになる。
初回のコンサルテーションは無料でできるところが多いが、料金が発生するところもあるらしいので、ホームページを確認したり、最初のコンタクトの際に確認したほうがいい。
僕らの場合は、エージェンシーからリストアップされた10ほどのクリニックの中から、最終的にふたつのIVFクリニックにコンタクトを取り、返事をもらった。
スカイプコンサルの予約については、第24話 IVFクリニック選び③ スカイプコンサル予約編 で、くわしくお伝えしたいと思う。
クリニック選びの初期段階として
ということで、今回はクリニック選びにおける初期段階だけをお伝えした。
エージェンシーの選び方に共通することでもあるけれど、それぞれ病院で提供している治療方針の違いを把握し、どこが自分たちの希望や状況にあっているかを見つける必要があると思う。
細かな違いというのはのちにコンサルを個別に受けてからわかってくると思うので、まずは最初のリサーチ段階で、上記の比較項目から、おおまかな違いを把握しておくのが、たくさんあるクリニックのなかから、少しずつ絞り込むのに有効だったと、実感している。
ということで、次回はクリニックの違いがあらわれる、新鮮胚移植か冷凍胚移植か、について、お伝えする。
つづきはこちら
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